ヒット商品のアイデアは悩みから生まれる|カーリーミー27万個に学ぶ7法則

ヒット商品カーリーミー

「うちの商品、いいものなのに売れないんです!」

僕のところには、こういう相談がよく届きます。

実際に、そう言っている人、あらゆる業界にいそうですね(笑)。僕も、石垣島で、小さなリゾートヴィラをしてますから、あまり予約が入ってない時期などは、「石垣島って、本当にいいところなのに、なんで、みんな来ないんだろう?」なんて、今でも、たまに思っちゃいます(笑)。

中小企業の社長さん、個人で起業した方、営業マン。みなさん真面目で、商品にも自信がある。それでも売れない。あるいは、次のヒット商品のアイデアが見つからない。。。

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今日は、そんな方にぜひ知ってほしい面白いニュースがあります。

大手広告代理店で働く会社員の方が、夜と土日だけで作ったヘアケア商品が、強引な売り込みをせずに累計27万個売れたという話です。

ブランドの名前は「カーリーミー(Curly Me)PR※楽天市場のページです」。くせ毛を”直す”のではなく”活かす”ための商品です(以下、カーリーミーと書きます)。

僕はこの方のことを知って、営業25年の経験から「これは髪の業界だけの話じゃない」と思いました。人の痛みや悩みを本気で解決した商品は、強引に売り込まなくても売れていく。

そのうまくいく本質的な仕組みが、とてもわかりやすく詰まっていたからです。

ただし、同じ「悩み」を扱っても、売り方を間違えると、お客様を苦しめる商売にもなってしまいます。この記事では、その両方を、公的な記録と僕自身の営業経験をもとにお話しします。

なお、この記事でいう「売り込まない営業」とは、何もしない営業ではありません。お客様の悩みと条件を確かめたうえで、本当に役に立つ人にだけ、自信を持っておすすめする営業のことです。

この記事でわかること

  • ヒット商品のアイデアが「悩み」から生まれる理由と、売り込まなくても売れる仕組み
  • カーリーミーと日本・海外のヒット事例5つに共通する「7つの成功法則」
  • 同じ悩みにつけ込んで、高額契約をさせてしまうやばい売り方の正体
  • 営業25年の僕が実践してきた「強く勧めてよい人・ダメな人」の見極め方
  • 自分や家族が勧誘を受けたときに、立ち止まるべきポイント

先に結論!!

ヒット商品のアイデアは、お客様や自分の悩みの中にある。悩んでいる人はすでに答えを探しているので、悩みを解決した商品は売り込まなくても高確率で見つけてもらえる

カーリーミーと日本・海外のヒット事例の5つには、真似できる7つの共通法則がある

同じ悩みを扱っても、不安をあおり、お客様の前提条件(予算・決定権・家族の理解など)を確かめずに売れば、いかがわしいコンプレックス商法になる

目次

カーリーミー(Curly Me)とは? くせ毛を「直す」から「活かす」へ変えたブランド

結論:カーリーミーは、くせ毛に悩んでいた創業者が自分の悩みから作り、約4年半で累計27万個を売ったヘアケアブランドです。

東洋経済オンラインの記事(2026年10月14日、天白あきえ氏)をもとに、まず、事実だけを整理します。

項目内容
創業者カーリーガールリンさん(カナダ育ち、大手広告代理店に約10年勤務)
きっかけ13歳から15年間、縮毛矯正を続けていた。カナダでは1回約8万円かかった
転機2019年頃、海外の「カーリーガールメソッド」を知り、地毛のくせを活かす方法に切り替えた
発売2022年、第1弾のスタイリングジェルを1,500個で発売
実績シリーズ累計27万個(2026年8月時点)、年商は2.5億円を突破し、今期(2026年10月期)は前期比約50%増の3億円を見込む(東洋経済の取材時点)

カーリーミーの歩み

  • 2019年頃:海外の「カーリーガールメソッド」を知り、1年半かけて縮毛矯正をやめ、地毛に戻す
  • 2020年:コロナ禍で家にいる時間が増え、日本語でくせ毛の活かし方を発信し始める
  • 2020年〜:化粧品メーカー約20社に商品化を打診。東大阪の小さなメーカーと試作を重ねる
  • 2022年2月:クラウドファンディング(目標30万円→120万円)。1,500個が2カ月で完売
  • 2024年:夫の海外転勤に伴い会社を退職。1年後の帰国時に復職せず、カーリーミーに専念すると決める
  • 2025年:楽天に出店
  • 2026年:シリーズ累計27万個(8月時点)

ポイントは、日本には「くせ毛を直す」商品はたくさんあっても、「活かす」商品がほとんどなかったことです。

リンさんは、海外のドラッグストアにはカーリーヘア用の棚が普通にあるのに、日本にはないことに気づきました。

つまり、大手が見ていなかった「悩み」に、当事者が一番乗りしたのです。

僕が一番すごいと思ったのは、商品よりも「売り方」です。リンさんは、商品ができる前から、お客さんになる人たちと一緒に歩いていました。なぜそれが効くのか、まずは理由から見ていきます。

ヒット商品のアイデアは、なぜ「悩み」から生まれるのか

結論:ヒット商品のアイデアが「悩み」から生まれるのは、悩んでいる人がすでに「答えを探している人」だからです。売り手が説得しなくても、合う商品に出会えば、「自分から」買ってくれます。

理由は3つあります。

  1. 説得がいらない:悩んでいる人は、すでに解決策を「探して」います。売り手の仕事は「説得すること」ではなく「見つけてもらうこと」です。
  2. 競合が少ない:大手企業は、多くの人に売れる商品を作ります。くせ毛や小柄な体型のような少数派の悩みは、後回しにされがちです。そこに空白が生まれ、僕たちのチャンスが生まれます。
  3. 口コミが強い:悩みは人に言いにくいものです。だからこそ、解決されたときの喜びは大きく、「人生が変わった」と人に話したくなります。

カーリーミーの商品には、この3つがすべてそろっていました。実に、すごい綺麗な事例です。

では、具体的に何をしたのか。次の章で7つの法則に分けて見ていきます。

ヒット商品のマーケティング事例に学ぶ、中小企業が真似できる7つの法則

ヒット商品のマーケティング事例に学ぶ、中小企業が真似できる7つの法則

結論:カーリーミーの成功は偶然ではありません。日本と海外のヒット商品5つにも、同じ7つの法則が共通しています。

法則だけでは頭に残りにくいので、各法則に具体的な事例を並べました。是非、ご参考にしてください。

法則1 自分(またはお客様)の悩みを、そのまま市場にする

カーリーミーは、創業者自身の15年間の「悩み」から生まれました。

同じ悩みから発した形の成功が、日本の「コヒナ(COHINA)」の事例です。創業者の田中絢子さんは身長148cm。大人の女性として着たい服がなく、キッズ服を着るのは恥ずかしいと感じていたことが創業のきっかけでした。2018年に身長155cm以下の女性向けブランドを立ち上げ、2021年中には月商1億円を超えています。

148cmディレクターと学ぶ 小柄が輝くおしゃれの本 田中絢子  ※PR

アメリカの「Spanx(スパンクス)」も同じです。27歳のサラ・ブレイクリーさんは、白いパンツの下にはく下着が響くのが悩みでした。ストッキングの足先をハサミで切ったのが始まりです。

実はサラさん、創業前の7年間、ファックス機を飛び込みで売る営業マンでした。僕も新卒のとき、OA機器を1日100軒飛び込みで売っていたので、他人事とは思えません。営業で毎日「お客さんの困りごと」を聞いていた人が、自分の困りごとに気づいた。これは偶然ではないと思います。

質問: あなたやお客様が、長年「仕方ない」とあきらめている悩みは何ですか?

法則2 売る前に、買う人を集めておく

カーリーガールリンさんは商品を作る前から、SNSでくせ毛の活かし方を発信していました。商品の開発中、フォロワーは約2,000人。発売の時点で「欲しい」と思ってくれる人が、すでに待っていたわけです。

また、別の例ですが、当時、日本国内では女性の「吸水ショーツ」という製品自体の認知度がほとんどなく、文化としても根付いていませんでした。

そのような女性の悩みに応えた「Bé-A」は、高い機能性を追求して国内工場で製造していたため、1枚あたり税込7,000円台という、一般的なショーツとしては高価格帯の製品でした。

創業者の髙橋くみさんと山本未奈子さんは、一般発売の前に、クラウドファンディングで支援を募りました。目標額は100万円。サニタリー用品のクラウドファンディングは珍しく、目標額の相場もわからなかったそうです。

結果は、45日間に9,062人から1億240万円。目標の約100倍です。一般発売の前に、買う人の数を確かめたのです。これは、女性たちが抱えていた強い潜在ニーズが可視化される形となりました。

その約1か月半後の2020年9月には、伊勢丹新宿店で、三越伊勢丹として初めて扱う生理ショーツブランドとして販売が始まりました。僕は、このクラウドファンディングの実績が、その後の販路拡大の後押しになったと見ています。

僕も会員制リゾートの営業時代、同じような興味のある人に先に手を上げてもらうという「営業集客手法」をしていました。

ほとんどの営業マンが紹介営業だけに頼る中、僕が取り入れたのは「ダイレクトレスポンスマーケティング」という手法です。興味のある人に、自分から手を挙げてもらう仕組みのことです。

例)送り先:山梨県の不動産会社 約500社

送ったもの:このダイレクトレスポンスマーケティングの手法に沿って書いた会員制リゾートホテルの手紙と、「詳しい資料が欲しい方はこちら」というA4の返信用紙

結果:返信のあった会社から4件の契約。うち1件は約2,000万円の高額商品の契約。

ポイントは返信用紙です。

いきなり売り込むのではなく、「資料が欲しい」と手を挙げてくれた方にだけ、次のお話をする。こちらから追いかけるのではなく、興味のある人に手を挙げてもらう。

興味のある方だけに、営業をする。

これが売り込まない営業の土台です。

質問: 商品を作る前、売る前に、話を聞かせてくれる見込み客は何人いますか?

法則3 お客様と一緒に作る

リンさんは、フォロワー約20人にサンプルを送り、「これは使いやすい」「ここがダメ」という声を聞いては作り直し、試作品は15個に及びました。

コヒナは、インスタライブを1,000日以上途切れずに配信し、お客様との会話から服を作っています。ベアも、お客様の要望を受けて大きいサイズを追加しました。

自分の思い込みで作った商品は、売るときに「説得」が必要になります。お客様と一緒に作った商品は、最初から相手のニーズや思いを拾うので、「欲しい」と言われています。

質問: 最近、お客様の声で、商品やサービスを変えたことはありますか?

法則4 小さく始めて、需要を確かめる

カーリーミーの立ち上げに必要だったのは約300万円、最初の生産は1,500個でした。リンさんは「もし売れなかったら残りの在庫を生涯かけて使っていこう」くらいの覚悟だったそうです。

これは無謀な賭けではなく、損をしても困らない上限を決めた挑戦です。クラウドファンディングの目標は30万円で、結果は120万円。1,500個は2カ月で売り切れました。

Spanxのサラさんも、貯金の5,000ドルで始め、外部から出資を受けずに育てました。初年度の売上は400万ドル、2年目は1,000万ドル(15億円近くですね(◎_◎;))です。

質問: 失っても事業が続けられる金額はいくらですか? その範囲で試せることは何ですか?

法則5 現場に通い、断られても合う相手を探し続ける

リンさんは商品化のために、化粧品メーカー約20社に企画書を送りました。半分は返事すらありません。最後に唯一応じてくれたのは、東大阪の小さなメーカーでした。

実はリンさんは当初、「100〜200個つくってほしい」と依頼していました。製造を委託する場合、5,000個くらいからが普通だと後で知ったそうです。営業でもよくある失敗で、相手の業界の常識(判断の基準)を知らずに提案すると、話を聞いてもらえません。それでもリンさんは、海外の商品を100個ほど取り寄せて約20個に絞り、成分を翻訳した資料にして送り続けました。この具体的な準備が、最後に合う相手を引き寄せたのだと僕は思います。

日本の中小企業にも、そっくりな話があります。香川県の靴メーカー「徳武産業」です。(参考:徳武産業の介護シューズ※PR)

  • 1993年(平成5年):売上の多くを頼っていた通販会社から取引を減らされ、苦境に立たされる
  • 同じころ:地元の老人ホームから「お年寄りが転ばない靴を作ってほしい」と相談を受ける
  • 十河孝男さん(のちの会長)が試作品を持って何度も施設に通い、左右で足の大きさが違う人が多いことに気づく
  • 片足だけ、左右で違うサイズでも買えるという、靴業界の常識外れの売り方を始める
  • 1995年(平成7年):介護シューズ「あゆみ」を発売。しかし知られておらず売れず、創業以来初の赤字に
  • 2019年:販売累計1,500万足を達成。お客様からは年に約2万通の手紙が届く

僕が以前、高額な500万〜1,000万円のリゾート会員権を売っていたころ、自分が販売する商品のホテルに自分で泊まりました。食事をして、お風呂に入って、ホテルの人と話して、普通のホテルと比べました。自分で体験した人の言葉は、お客様に届き方がまったく違います。十河さんが老人ホームに通い続けた話を読んで、営業の基本はやっぱり「現場」だと改めて思いました。

生きた経験体験は、何よりも価値になります。

質問: 最近、お客様の現場(商品、サービスを使っている場所)を見に行ってますか?

法則6 悩みの「恥ずかしさ」を取り除く

髪や体の悩みは、人に相談しにくいものです。だからこそ、恥ずかしさを取り除いた商品は強く支持されます。

カーリーミーは、くせ毛を「隠すもの」から「楽しむもの」に変えました。コヒナは、小柄な女性を「キッズ服で我慢する人」から「大人の服を楽しむ人」に変えました。

例えば、他の悩み解決型の成功事例では、日本では、アンファーの男性向けシャンプー「スカルプD」が好例です。

もとは2001年に、頭髪専門クリニックに通う患者さん専用のシャンプーとして開発されました。2005年に一般発売するとき、同社は「シャンプー=頭皮を洗う、頭皮をケアする」という新しい考え方を打ち出しました。価格は1本5,800円と、シャンプーとしては非常に高い商品でした。

それでも、累計の販売本数は3,000万本(2023年5月末時点)。富士経済の調査では、メンズシャンプー・リンスの売上で14年連続1位になっています。

僕は、ここに恥ずかしさを取り除く工夫があると見ています。

「育毛剤」をレジに持っていくのはためらう人でも、「頭皮を洗うシャンプー」なら、毎日の身だしなみとして堂々と買えます。

悩みそのものを商品名にせず、前向きな言葉に置き換える。これなら中小企業でも、商品名やチラシの言葉を変えるだけで試せます。

例えば、「ハゲツル対策、髪の毛どかん!」という商品名や、「口くさ対策、デート10分前!」「水虫のバカヤロウ!」というような商品名だったらどうでしょうか(笑)?面白過ぎて、逆に売れるかもしれません?ね??(笑)

質問: あなたのお客様が、人に言えずに「困っていること、悩んでいること」は何ですか?

法則7 お客様をファンにし、売った後こそ責任を持つ

カーリーミーは2026年9月、くせ毛の人が集まる「くるくるパーティー」を開き、約100人が参加しました。創業者のもとには、50年間、鏡に映る自分をきれいだと思えなかった人から、くせ毛を活かし始めてやっと自分をかわいいと思えた、という趣旨のメッセージも届いたそうです。

お客様との人間関係、信頼関係の構築が、現在の発展につながっているのでしょう。

僕自身も営業時代、お客様との人間関係の構築には、力を注いでいました。

  • 他の営業マンが取れない繁忙期のホテルの部屋を、ホテル側と調整して確保した
  • 喜んでくださったお客様が、別の方を紹介してくださった
  • 最初に800万円の会員権を買ってくださったある社長のもとへ、商談というより雑談をしに通い続けた。最終的に、総額約5,600万円のお取引になった

その後の、追加の商品購入は、強引な営業や、お客様を縛った結果ではなく、信頼が積み重なった結果でした。

質問: 契約した後のお客様に、最後に連絡したのはいつですか?

「悩み解決型ヒット商品の7つの法則の図解」

悩み解決型ヒット商品の7つの法則の図解

経営者こそ、ヒット商品を自分で買って体験しよう

経営者こそ、ヒット商品を自分で買って体験しよう

結論:7つの法則は、記事で読むより実物を手に取ったほうが何倍もよくわかります。

以前、「売らない営業」の記事で行列の絶えないカフェ「コナズ珈琲」を紹介したときにも書きましたが、僕は売れている店や商品を「体感しに行く」ことをすすめています。

机の上で考えるより、フィールドワークです。

商品を手に取ると、次のようなことが肌でわかります。

  • パッケージの言葉が、誰のどんな悩みに向けて書かれているか(法則1・6)
  • 届いたときの梱包や説明書に、どんな気配りがあるか(法則7)
  • 使った後、もう一度買いたくなる理由はどこにあるか(法則3)

たとえば、くせ毛に悩んでいる方ならカーリーミーを。小柄な家族がいる方ならコヒナの服を。親御さんの足元が心配な方なら、あゆみシューズを贈り物に、髪の毛の量に悩んでいるなら、スカルプD薬用育毛剤を買うのもいいと思います。

どれも売れている商品なので、自分や家族の悩みを解決しながら、「なぜこれが売れるのか」を学べる、一石二鳥の勉強です。

もちろん、無理に買う必要はまったくありません。気になるものがあれば、勉強のつもりで手に取ってみてください。

僕は、やはり年齢相応に、AIの登場でPCを見まくって目が疲れるからブルーベリーのサプリ、野菜不足だから野菜のサプリ、体や髪の毛の健康、疲労対策のためにビタミン、ミネラル、アミノ酸が入っているエビオス錠、シミだらけの顔対策にメンズケシミンなど、問題の解決を願って摂りまくっています。

ここまでは、悩みを解決して喜ばれる売り方を見てきました。次は反対に、同じ悩みを扱いながら、お客様を苦しめてしまう売り方を見ていきます。

コンプレックス商法とは? 同じ「髪の悩み」でも、売り方を間違えるとこうなる

結論:髪の悩みは大きな市場ですが、悩みにつけ込む売り方をすると、お客様に100万円を超える後悔を残すこともあります。

この記事では、容姿や体の悩みへの不安をあおり、高額な契約や継続的な契約を結ばせる売り方を「コンプレックス商法」と呼びます。

最初にお断りしておくと、かつらや増毛、薄毛治療そのものが悪いわけではありません。それで前向きになれた人もたくさんいます。

問題にしたいのは商品ではなく、売り方です。

矢野経済研究所によると、2024年度の国内ヘアケア市場(かつら・増毛、植毛、発毛・育毛剤、シャンプーなどの4分野計)は5,367億円です。悩む人が多く、お金も動く市場だということです。

だからこそ、悩みにつけ込む売り方も生まれます。公的機関に記録された事例を見てみましょう。

「公的機関に寄せられた相談事例」

  • 25歳男性・年収約130万円で200万円の増毛契約(福岡県・飯塚市消費生活センター):「必ず増毛する」という広告を見て契約。効果がないと伝えると「追加の薬品を使えば必ず効果がある」と言われ、半年で総額200万円に。消費生活センターの交渉で残額170万円分は解約になりました
  • かつらのアフターケアのたびに勧誘され、総額約300万円(京都府・国民生活センター見守り情報):シャンプー中など、すぐに帰れない状況で勧められた70歳代女性の事例
  • 薄毛治療で約160万円のコース(国民生活センター):医師ではない担当者に「併用しないと1年後に元に戻るかもしれない」と言われた20歳代男性の事例

国民生活センターの集計(2014〜2019年度の相談)では、男性の美容医療(薄毛治療や植毛を含む)の契約額は100万〜300万円未満が約32%で最も多く、支払い方法はクレジットなどの分割払いが約45%で最多でした。

事例を並べると、売り方に4つの共通点が見えてきます。

  1. 不安をあおる(「このままだと元に戻る」)
  2. 無理にその場で決めさせる(シャンプー中、個室のカウンセリング中)
  3. 恐怖で相手を縛り追加支払いを重ね続ける
  4. 無理なローンで通す

カーリーミーと同じ「髪の悩み」を扱っているのに、結果はまったく逆です。

お客様は感謝ではなく、後悔を抱えています。

例えば、昨今、AIの登場で、あなたの仕事は奪われると人の不安をあおり、AIスクールで高額の授業料などを取る事例が多発しています。もちろんメリットもあるのでしょうが、まずは、自分でChatGPTやClaude、Geminiなどを触りまくって、AIに質問しまくれば、そのまま活用していけます。

僕もそうやって試行錯誤しながら、何十万円もするAIスクールに通わずに、AIを使いまくって仕事に活かしています。

売り込まない営業とは? 営業25年の僕が見た「依存させる営業」と「自由にする営業」の違い

売り込まない営業とは? 営業25年の僕が見た「依存させる営業」と「自由にする営業」の違い

結論:違いは「強く勧めるかどうか」ではありません。強く勧める前に、お客様の前提条件を確かめているかどうかです。

まず、2つの言葉の意味をはっきりさせておきます。

  • 依存させる営業:お客様が自分で判断できない状態をつくり、契約や追加購入を続けさせる売り方
  • 自由にする営業:お客様の悩みを解決し、自分で選べる状態に導く売り方

誤解のないように言うと、僕は「売り込むな」とは考えていません。

以前の記事【永久保存版】クズ営業マンで終了するな!でも書きましたが、お客様の役に立つと確信できたときは、しっかりおすすめして、決断を後押しするべきです。

ただし、僕には、強く勧める前に必ず確かめていた条件がありました。

「強く勧める前の前提条件」

  • 購入を決める権限がある人かどうか?
  • 家族など、相談が必要な場合は、その人の理解を得ているか?
  • 無理なく払える予算(お金)があるか?
  • 購入後にトラブルにならない関係か?
  • この商品が、本当にこの人の悩みを解決するか(必要性や欲求を満たすかどうか)?

ひとつでも欠けていたら、こちらから商談を切り上げる。 これが僕のルールでした。

先ほどの福岡県・飯塚市消費生活センターの事例に当てはめてみてください。年収約130万円の方に、200万円の契約です。「無理なく払える予算があるか」の条件で、本来は止まるべき商談でした。

前の章で見た4つの型も、それぞれどの前提条件を破っているかで整理できます。

「4つの型と、破られている前提条件」

コンプレックス商法の型破られている前提条件
不安をあおる本当にこの人の悩みを解決するか(不安を大きくしているだけ)
無理にその場で決めさせる家族など、相談が必要な人の理解を得ているか(持ち帰って相談する時間を奪っている)
恐怖で相手を縛り追加支払いを重ね続ける購入後にトラブルにならない関係か(買った後も不安で相手を縛り、無理な支払い、契約を増やし続けている)
無理なローンで通す無理なく払える予算があるか

以前noteにも書きましたが、紹介でお会いしたある歯科医院の院長との商談を、1〜2分で切り上げたことがあります。お話の様子から、この方にお売りしても、お互いに良い関係にはならないと判断したからです。

全員に売る必要は、全くありません。売れる営業マンは、むしろ顧客を選別しています。

「2つの売り方の違い」

観点依存させる営業自由にする営業
お客様の不安あおって判断を急がせるお客様の不安を言語化して明示し、選択肢や解決方法を出す
決めるタイミング無意味な即決営業無意味な即決営業はしない。相手の為になる事実のみ伝える。
予算無理なローン払えない人には売らない
契約後次つぎに色んな商品を売りつける信頼関係を深め、良い関係を続ける
お客様に残るもの後悔、重荷感謝と紹介、満足感

カーリーミーのリンさんは、くせ毛を「直し続けなければいけないもの」から「そのままで楽しめるもの」に変えました。お客様を商品に依存させるのではなく、楽しい人生、充実した自由な人生にしたのです。

それでも、いや、だからこそ、27万個売れました。

正直、起業家の鏡のような話だと思います。

もし自分や家族が勧誘を受けたら:営業のプロが教える見極め方

結論:安易な「必ず」「絶対」と言い切られたら、その場で決めずに一度持ち帰ってください。

※お金を介在した、必ず絶対に、儲かる方法、彼女彼氏が出来る方法、幸せになる方法、悩みが解決できる商品、サービスは、無いです。必ず、メリット、デメリットがあるはずです。

偉そうなことを書いてきましたが、正直に告白します。

売る側を25年やってきた僕も、買う側では何度も失敗しています。

  • 自己啓発セミナー:約40万円
  • よくわからないセミナー:25万円
  • 成功哲学のテーププログラム:約80万円
  • ネットの情報商材:約40万円
  • 健康商品のビジネス:約100万円
  • 株のスクール:35万円

どれも「この商品いいな。これできっとうまくいくぞ!」と思って申し込みました(笑)。

我ながら、単純です。

営業マンは営業マンに、経営者は経営者に弱かったり、騙されやすいのは、多分本当です(笑)。

人は、悩んでいるときほど、判断が甘くなります。

営業のプロでも、自分のことになるとそうなのです。しかも、同じ立場の人だからこそ、なんか共感しちゃって、騙される、、、というか、話にのっちゃうのかも。

是非、次のポイントを覚えておいてください。

「こう言われたら、一度立ち止まって」

・「必ず効果があります」「絶対に失敗しません」と言い切られた
・「今日決めてくれたら、この値段にします」と駆け引き的な即決を迫られた
・「これをやめると効果効能が無くなりますよ」と、続けることが前提になっている
・お金を払えないと言ったら、すぐに安易に分割払いを勧められた
・帰りにくい状況(施術中、個室、長時間)で話が進んでいる

福岡の事例でも、「必ず増毛する」という広告がきっかけでした。

誠実な商品ほど、意味なく、根拠なく、実績なく、効果を「必ず」とは言いません。人によって結果が違うことを、作り手が一番よく知っているからです。

また、自分を虚飾や、権威で、ブランディングしている人、有名人との写真で権威を強調する人(後光効果)、資格や学歴やお金の多寡を強調する人も、注意が必要です。

特定の極端な政治思想、宗教、過激思想に傾倒している人の勧誘も要注意です。

「その場で使える断りの一言」

  • 「書面をいただいて、家族と相談してから決めます」
  • 「今日は契約しないと決めて来ています」
  • 「ほかの会社の話も聞いてから考えます」

誠実な売り手なら、この一言で態度を変えることはありません。態度が急に変わったら、それ自体が答えです。あなたへの貢献よりも、自分の金儲けに必死な人でしょう。

「困ったときの相談先」

契約してしまって不安なときは、一人で悩まず、消費者ホットライン「188(いやや!)」に電話してください。お住まいの地域の消費生活センターにつながります。契約の内容によっては、クーリング・オフや解約ができる場合があります。

あなたの会社で、明日からできる「売上向上作戦」3つのこと

結論:大きな投資はいりません。お客様の「困りごと」を言葉にするところから始めてください。

STEP
お客様の「不便」と「恥ずかしさ」を書き出す 

「便利ですよ」と言うより、「その不便、嫌ですよね」と言い当てるほうが、人の心は動きます。既存のお客様に「買う前、何に一番困っていましたか?」と聞いてみてください。そして、それらを踏まえた上で、お客様の言葉で、キャッチフレーズ、商品紹介文、セールストークなどを言語化すると効果効能があります。

STEP
作る前、売る前に、小さく聞いてみる

SNSでのアンケート、数人へのお試し、少量の先行販売。カーリーミーの約20人のモニターのように、本気で使ってくれる人が数人いれば十分です。まず、顧客の反応反響を得て感触をつかみましょう。

STEP
「強く勧める前の前提条件」を紙に書いておく

決める権限、家族の理解、予算、購入後の関係、悩みとの相性。この5つを確かめてから勧める習慣をつけると、売り込まなくても、むしろ自信を持っておすすめできるようになります。

よくある質問 ヒット商品のアイデアは悩みから生まれる

よくある質問 ヒット商品のアイデアは悩みから生まれる
ヒット商品のアイデアは、どうやって見つければいいですか?

まず自分やお客様が「仕方ない」とあきらめている悩みを書き出すことです。カーリーミーは創業者のくせ毛、コヒナは小柄な体型、あゆみシューズは老人ホームからの「お年寄りが転ばない靴を作ってほしい」という相談から生まれました。大手が後回しにしている少数派の悩みほど、競合が少なく、ヒットの種になります。(楽天市場で、「悩み」というキーワードをさらにレビュー順で並べたこれらの商品は、本当に商品や経営のヒントだらけです。)

悩みを解決する商品は、どうしてヒットしやすいのですか?

悩んでいる人は、すでに「解決策を探している」状態だからです。売り手が説得しなくても、自分から情報を集め、合う商品を見つけると喜んで買います。売り手の仕事は、その人に見つけてもらうことです。

中小企業や個人でも、カーリーミーのような商品は作れますか?

作れます。カーリーミーは会社員が副業的に始め、最初の投資は約300万円、1,500個からでした。香川県の徳武産業も、主要な取引先からの注文が減ったピンチの中から介護シューズを生み出しています。このような成功事例が沢山あるので、どのような業界でも、まずは低額でテストしてみましょう。

コンプレックス商法とは何ですか?

容姿や体の悩みに対する不安をあおり、高額な契約や継続契約を結ばせる売り方のことです。この記事では、国民生活センターなどに寄せられた相談事例をもとに、その共通点を紹介しました。

売り込まない営業でも、売上は上がりますか?

上がります。ただし「何もしない」という意味ではありません。売る前に買う人を集め、強く勧める前に前提条件を確かめる。そのうえで、役に立つと確信したときは、しっかりおすすめすることが大切です。必要な人に、必要なものをきちんと届けることは重要です。でも、必要でない人、買えない人、買うと破産する人などにあなたの商品やサービスを売るのは、あなたの悪評を広めるだけです。

カーリーミーはどこで買えますか?

公式オンラインショップのほか、2025年に出店した楽天市場で購入できます。@cosme STOREの一部店舗でも取り扱いが始まったと発表されています(取扱店舗は変わることがあるため、最新情報は公式サイトで確認してください)。

まとめ:悩みに寄り添う商品は、売り込まなくても売れやすい!

カーリーミー、ベア、コヒナ、徳武産業の「あゆみ」、スカルプD、Spanx。国も業界も違いますが、どれも誰かの痛みや恥ずかしさを、本気で取り除いた商品でした。

一方で、同じ悩みにつけ込めば、お客様に100万円を超える後悔を残す商売にもなります。違いを分けるのは、商品の良し悪し以上に、お客様を依存させるのか、お客様を幸福に、自由に、豊かにするのかという売り手の姿勢です。

僕は、あなたの商品にも、きっと誰かの悩みを解決する力があると思っています。その力を、誠実な売り方で届けていきましょう。

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営業が苦手な方、自社の商品の「本当の価値」をどう言葉にすればいいか迷っている方は、ストアカの個別講座で一緒に勉強しましょう!

悩み解決型の面白いヒントになる商品

以下の商品は、全て悩み解決型の商品です。あなたの商品、サービス開発のヒントにしてください。

情報の出典

数字はすべて、各出典が公表した時点のものです(最終確認:2026年10月15日)。

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ヒット商品カーリーミー

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