2025年ホテル業界、生き残りの鍵は「営業研修」 売上とスタッフ意識を変革する秘訣を徹底解説!

ホテル業界、生き残りの鍵は「営業研修」

コロナ禍からの回復基調がより一層鮮明となった今、ホテル業界ではインバウンド需要が急速に伸びています。

さらに、大阪・関西万博(2025年4月~10月)の開催に向けた宿泊ニーズの高まりも追い風となり、日本国内各地のホテルや旅館は活況を見せ始めました。

ところが、深刻な「人手不足」や「新規参入による競争激化」、「顧客ニーズの多様化」など、浮かれてばかりはいられない「課題」も山積しています。


そうした波乱の状況下で、安定的かつ継続的に収益を伸ばすためには、改めて「営業力」に注目することが重要です。

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ホテル経営と聞くと、マーケティングや施設運営などの要素をイメージしがちですが、実はフロントや予約担当が担う「提案型営業」、「営業力」こそが売上・利益を左右する大きなカギになります。

今までのホスピタリティという考え方だけでは、総合的に、なかなか難しい局面を迎えています。やはり、1人1人が、「ホスピタリティ×セールス」という新しい概念を理解し、売上や利益をあげよう!という姿勢や能力が非常に重要になって来ています。

本記事では、ホテル業界の経営者や幹部の皆さまが抱える「人手不足」「収益拡大」「顧客満足度向上」という3つの悩みを解決し得る手段としての営業研修の効果と具体策を、最新のデータや事例を交えてわかりやすく解説します。(観光庁:宿泊旅行統計調査

この記事のポイント

  1. 2025年以降のホテル業界の最新動向と、人手不足・競争激化の実態
  2. インバウンド需要やDX活用を踏まえた「営業研修」の必要性
  3. アップセルやクロスセルで売上を伸ばす具体的なセールステクニック
  4. スタッフ一人ひとりを“小さな営業マン”として育成するメリットと導入ステップ

目次

1. インバウンド回復と人手不足が同時進行する2025年ホテル業界

  • 1-1. コロナ禍からの復活と新たな課題
  • 1-2. 関西万博で拡大する宿泊需要と深刻な人手不足

1-1. コロナ禍からの復活と新たな課題

  • インバウンド需要の急増
    2024年に入ってからの訪日外国人旅行者数は、すでにコロナ前の水準を上回る勢いを見せています。円安や海外での日本観光ブームも相まって、都市部・地方問わず宿泊需要が急伸。実際、多くのホテルが2023年時点で客室単価をコロナ禍前より10~20%上げても稼働率が落ちにくいという“追い風”を得ています。
  • 競争が激化:新規ホテル・リブランド続々
    大阪・関西万博に向けた投資も活発化し、大都市圏を中心に新規開業やリブランド案件が続出しています。供給が増えるということは、宿泊価格の下落リスクにつながる可能性もあり、短期的には潤っていても、万博終了後にはオーバーサプライ状態に陥る恐れがあるのも事実です。

1-2. 関西万博で拡大する宿泊需要と深刻な人手不足

  • 特需を活かしきれない人材不足
    東京商工リサーチの調査によれば、宿泊業の9割近くが「正社員が不足している」と回答しています。特にフロント、清掃スタッフ、キッチン・ホールといった接客部門の人材確保が難しく、需要はあるのに受け入れ態勢が十分整わないケースもしばしば。
  • コスト競争よりも“付加価値”重視の時代
    人材不足への対策としては、DX導入や無人化などの効率化が注目されていますが、宿泊業は最終的に“人”のサービス品質が問われる業界です。むしろ、スタッフ一人ひとりが高い意欲と提案力を持つことで、客単価を引き上げ、収益を確保できる可能性が広がっています。

ポイント: 短期的にはインバウンドや関西万博でホテル需要が増えますが、中長期的に見れば“価格競争”ではなく“価値提供”が鍵。営業力の底上げは、そのための基盤となります。AIなどに代替されない「人による価値」の提供が、今後のポイントになってきます。


2. なぜ「営業研修」がホテルの売上と人材を変革するのか

  • 2-1. 従業員一人ひとりが「小さな営業マン」になるメリット
  • 2-2. フロント・予約スタッフの意識改革が利益拡大につながる

2-1. 従業員一人ひとりが「小さな営業マン」になるメリット

ホテル業界では、「営業」というと法人営業や旅行代理店との交渉を思い浮かべる方も少なくありません。しかし、実際の現場ではフロントや予約スタッフが直接お客様と対峙する「最前線の営業部隊」とも言えます。ここでスタッフが適切な商品・プラン提案を行うだけで、以下のようなメリットが得られます。

  • 追加サービスやオプションの提案
    お客様は必ずしも最初に“最適なプラン”を選んでいるわけではありません。チェックイン時の「ご夕食はいかがですか?」や「春のスパエステプランが、夕食前のお時間帯10%OFFで受けれます」や「地元の温泉巡りチケットもございますよ」といった一声が、結果的に客単価アップへ直結します。
  • 口コミ評価向上によるリピート率アップ
    お客様にとって「自分の要望や好みを理解してもらえた」という体験は、高い満足度につながります。これが口コミサイトやSNSでのポジティブな評価につながり、新たな顧客層の獲得やリピーターの増加を促します。

ホテル業界のライバル企業などの口コミを見ていると、経営、営業、運営のいいヒントが落ちていることが多々あります。いい口コミも、悪い口コミも勉強になるので、他のホテルの口コミもたまには見ていましょう!

2-2. フロント・予約スタッフの意識改革が利益拡大につながる

  • 受付業務から“ソリューション提供”へ
    従来は単に宿泊手続きを行うだけだったフロント業務を、「お客様の旅をプロデュースする」、「お客様の宿泊にさらなる価値を提供する」という視点に変えると、アップセルやクロスセルの機会が格段に増えます。(押し売りではない)
  • スタッフ間で売上目標を共有する意義
    予約担当やハウスキーピングなど、一見売上に直接関係がないと思われる部署でも、「売上アップ=給与・待遇の向上=顧客満足度の向上」という好循環を理解すれば、全社員が売上目標にコミットしやすくなります。一見、プロフィット部門(収益獲得部門)と関係のないスタッフの意識も、全体的に上げていくことが、重要です。

コンサル視点の提言: フロントスタッフの指名制や予約スタッフのインセンティブ導入など、小さな仕組みからスタートし、成功体験を積み重ねると効果が出やすいです。例えば、食事が入ってない宿泊客に、自社のレストランの予約をいれたら5ポイントで、100ポイントに達すると、そのスタッフに1万円の報奨金を出すとか、もしくは2名分の自社レストランの食事をプレゼントとか。。。スタッフのやる気を喚起する、刺激することも大事です。

アップセル・・・より上位の高価格帯の商品やサービスを販売する事。例えば、エステ60分15000円のコースを120分の30000円のコースにすることなど。

クロスセル・・・別の関連性のある商品を売ること。例えば、「只今、ご宿泊様だけに地元名産のクラフトビールを定価700円の所、580円で販売しています。大変お得で美味しくて、珍しいので、お風呂の後などに、ゆっくりと珍しい地元のクラフトビールをお部屋でおいかがでしょうか?」などと、お客様の宿泊の体験価値があがるように、関連商品を販売していくこと。


3. 営業研修導入でどう変わる? 客単価・稼働率アップの成功事例

  • 3-1. 追加提案で客単価10%アップを実現した地方ホテルのケース
  • 3-2. モチベーション向上が離職率5%低減につながった実績

3-1. 追加提案で客単価10%アップを実現した地方ホテルのケース

地方都市にある老舗ビジネスホテルの例では、ベテランスタッフほど「余計な提案は押し売りになる」という思い込みが強く、料金面でのディスカウントに頼っていました。そこで、3か月にわたる営業研修を導入し、「お客様が実は求めているサービスを、さりげなく提案する」テクニックを習得させたところ、

  • 朝食追加率が30%→50%に上昇
    チェックイン時に「明日の朝食はいかがでしょうか?美味しい名物肉じゃがもついています(^^♪」とアプローチ
  • 観光施設チケット販売が月間ベースで2倍以上
    地元の美術館やテーマパークと提携し、フロントで購入できる仕組みに
  • 客単価が10%以上アップ
    積極的にスタッフのセールスマインド、営業意識をあげたおかげで、トータル売上に与えるインパクトが大きく、収益性も改善

さらにスタッフからは「お客様との会話の幅が広がり、仕事が楽しくなった」という声も聞かれました。提案が成果に結びついた分、モチベーションが上がり、人材の定着率にも好影響が出ています。

フロントでのセールスは、色々気を付けなくてはなりませんが、あくまで押し売りではなく、さわやかに、相手にお役に立ちたい、相手に何か良いサービスを提供できないかな?という自然な視点で、良い商品やサービスをおすすめしてみてください。

3-2. モチベーション向上が離職率5%低減につながった実績

営業研修は、売上拡大だけでなくスタッフの働きがい向上にも役立ちます。ある都市型シティホテルでは、研修実施と同時にスタッフの成果に応じたインセンティブ制度を導入。具体的には、

  • アップセルやクロスセルの件数や金額を、スタッフ個人ごとに可視化
  • チーム単位でも客単価の目標を設定し、達成度に応じて表彰

この仕組みによって、スタッフ間の連携が強まり、顧客満足度を高めるアイデアも現場レベルで続々と生まれました。

その結果、

  • 離職率が年間5%ダウン
    「上からの命令」ではなく「自己成長・やりがい」のモチベーションが高まり、長く働こうとするスタッフが増えた
  • リピーターの利用率が2割増
    スタッフ対応への高評価が口コミを呼び、高い稼働率を継続。地域に浸透した信頼できるホテルとして他のホテルに比較して、市場優位性を確保。

プチノウハウ: インセンティブを導入する際は、スタッフ同士の過度な競争を生まないよう「個人+チーム」という二重の仕組みを設計すると、良いバランスで競い合いと協力を両立できます。1年間の売り上げ目標が仮に1億円だとして、1億円を達成したら、300万円を原資に、社員の貢献度に応じて、臨時ボーナスを出すとか、OTA以外の、電話などで予約をまとめて宿泊を確定させたら1ポイント獲得で、30ポイント獲得したら、ボーナス褒賞金3万円などです。

こういった積極的なセールスマインドが、あなたのホテルの業績を上げ、ひいては、スタッフ従業員の方々のお給料を、ズバリ、あげられるのです。


4. 今日から始める営業研修導入ステップ

  • 4-1. 現場の課題点を洗い出すワークショップの方法
  • 4-2. 研修プログラムの選定と導入スケジュールの立案
  • 4-3. 定着化を促すフォローアップと評価システム

4-1. 現場の課題点を洗い出すワークショップの方法

  • 部門横断のヒアリングセッション
    フロント、予約、ハウスキーピング、レストラン、調理など、あらゆる部門を交えてワークショップを行います。具体的には、「今の業務で困っていることは?」「お客様からの声で多い改善要望は?」などを付箋に書き出し、意見交換します。仮に、困ったことがないなら、「今の自分たちの給料を2倍に上げるためには、どうしたら良いか?会社の売り上げを2倍、3倍にするためにはどうしたらいいか?」などの極端な、非常識な大きなことを議題にしてみて下さい。(その方が、新しい革新的なアイデアがでやすい)
  • 顧客ニーズと自社サービスのギャップ分析
    SNSや口コミサイト、アンケートから拾った顧客の要望・クレームを整理し、「実際に提供できているサービス」「提供が不十分なサービス」を分類すると、どこを強化すべきかが明確になります。全部が全部できないかもしれませんが、業務改善、生産性改善の1歩にはなります。

でたアイデアやお題は、全部を一気に課題解決は出来ないかもしれませんが、1つ1つ段階的に改善はしていけるものです。予算と相談しながら、ブラッシュアップしていきましょう。

4-2. 研修プログラムの選定と導入スケジュールの立案

  • 外部講師 vs. 社内講師 vs. オンライン研修
    規模や予算、スタッフ数に応じて最適な形態を選びましょう。大規模ホテルチェーンでは外部講師を招いて大人数で実施、中小規模ではオンラインと現場指導を組み合わせるなど柔軟に対応可能です。また、一気に多人数で研修をしなくてもいいので、少人数づつでも、良質なセールス研修に取り組むとよいでしょう。
  • KPI設定と期間の明確化
    例えば「3か月後に朝食付プランの販売率を20%アップさせる」「アップセル率を現状の10%から15%に上げる」など、具体的な数字目標を掲げます。成果目標を可視化、計測可能化することで、研修効果を測定しやすくなります。

従業員、スタッフの1人1人に、課題問題意識を持ってもらうことが大切です。課題意識、問題意識がなく、ぼうっとしていれば、ただの現状維持で終わってしまいます。

自社施設が、お金がなく、色んな設備投資ができないなら、知恵や人間力で勝負致しましょう。

面白い企画、楽しい企画、わくわくする企画を出してみて下さい。そして、その企画をセールスしていきましょう。

例えば下記のように、大阪難波のホテルで「183泊184日」宿泊プランが、「大阪・関西万博」に合わせて販売されていますが、これも1つのアイデアですね。

4-3. 定着化を促すフォローアップと評価システム

  • 定期的なロールプレイとフィードバック
    研修受講だけで終わらせず、週に1回など短い時間でもいいので、営業や接客、クレーム対応のロールプレイを実施。スタッフ同士がフィードバックし合い、成功・失敗事例を共有することで実践力が確立されます。
  • インセンティブ・評価制度の連動
    個人やチームの売上実績、顧客満足度(NPSなど)を定期的にチェックし、優秀な成果をあげたスタッフを表彰する仕組みを作ります。金銭報酬だけでなく「表彰制度」や「昇進・役職手当」もモチベーションに直結する要素です。

現場主導が大切: 経営者や幹部が方針を示すのはもちろん重要ですが、最前線のスタッフが主体的に取り組めるようにするのが研修成功のカギ。現場の声を尊重し、臨機応変に研修内容を見直しましょう。特に、営業に関しては、苦手意識を持っていたり、ただ、接客だけしていればいいなどの意識のスタッフがいるので、強くテコ入れしなくてはなりません。営業を押し売りと勘違いしている人も多いので気をつけましょう。


5. DX活用で研修効果を最大化:パーソナライズされた営業提案へ

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