コロナ禍からの回復基調がより一層鮮明となった今、ホテル業界ではインバウンド需要が急速に伸びています。
さらに、大阪・関西万博(2025年4月~10月)の開催に向けた宿泊ニーズの高まりも追い風となり、日本国内各地のホテルや旅館は活況を見せ始めました。
ところが、深刻な「人手不足」や「新規参入による競争激化」、「顧客ニーズの多様化」など、浮かれてばかりはいられない「課題」も山積しています。
そうした波乱の状況下で、安定的かつ継続的に収益を伸ばすためには、改めて「営業力」に注目することが重要です。
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ホテル経営と聞くと、マーケティングや施設運営などの要素をイメージしがちですが、実はフロントや予約担当が担う「提案型営業」、「営業力」こそが売上・利益を左右する大きなカギになります。
今までのホスピタリティという考え方だけでは、総合的に、なかなか難しい局面を迎えています。やはり、1人1人が、「ホスピタリティ×セールス」という新しい概念を理解し、売上や利益をあげよう!という姿勢や能力が非常に重要になって来ています。
本記事では、ホテル業界の経営者や幹部の皆さまが抱える「人手不足」「収益拡大」「顧客満足度向上」という3つの悩みを解決し得る手段としての営業研修の効果と具体策を、最新のデータや事例を交えてわかりやすく解説します。(観光庁:宿泊旅行統計調査)
- 2025年以降のホテル業界の最新動向と、人手不足・競争激化の実態
- インバウンド需要やDX活用を踏まえた「営業研修」の必要性
- アップセルやクロスセルで売上を伸ばす具体的なセールステクニック
- スタッフ一人ひとりを“小さな営業マン”として育成するメリットと導入ステップ
1. インバウンド回復と人手不足が同時進行する2025年ホテル業界
- 1-1. コロナ禍からの復活と新たな課題
- 1-2. 関西万博で拡大する宿泊需要と深刻な人手不足
1-1. コロナ禍からの復活と新たな課題
- インバウンド需要の急増
2024年に入ってからの訪日外国人旅行者数は、すでにコロナ前の水準を上回る勢いを見せています。円安や海外での日本観光ブームも相まって、都市部・地方問わず宿泊需要が急伸。実際、多くのホテルが2023年時点で客室単価をコロナ禍前より10~20%上げても稼働率が落ちにくいという“追い風”を得ています。 - 競争が激化:新規ホテル・リブランド続々
大阪・関西万博に向けた投資も活発化し、大都市圏を中心に新規開業やリブランド案件が続出しています。供給が増えるということは、宿泊価格の下落リスクにつながる可能性もあり、短期的には潤っていても、万博終了後にはオーバーサプライ状態に陥る恐れがあるのも事実です。
北海道・富良野市に訪日外国人が押し寄せています。ただ、外国人の増加とともに住民とのトラブルも急増。土地価格の急上昇やマチの変化についていけず転居する人も。インバウンドがもたらす光と影は。#北海道ニュースUHB #Yahooニュースhttps://t.co/AIfkz3py7n
— Yahoo!ニュース (@YahooNewsTopics) February 15, 2025
1-2. 関西万博で拡大する宿泊需要と深刻な人手不足
- 特需を活かしきれない人材不足
東京商工リサーチの調査によれば、宿泊業の9割近くが「正社員が不足している」と回答しています。特にフロント、清掃スタッフ、キッチン・ホールといった接客部門の人材確保が難しく、需要はあるのに受け入れ態勢が十分整わないケースもしばしば。 - コスト競争よりも“付加価値”重視の時代
人材不足への対策としては、DX導入や無人化などの効率化が注目されていますが、宿泊業は最終的に“人”のサービス品質が問われる業界です。むしろ、スタッフ一人ひとりが高い意欲と提案力を持つことで、客単価を引き上げ、収益を確保できる可能性が広がっています。
ポイント: 短期的にはインバウンドや関西万博でホテル需要が増えますが、中長期的に見れば“価格競争”ではなく“価値提供”が鍵。営業力の底上げは、そのための基盤となります。AIなどに代替されない「人による価値」の提供が、今後のポイントになってきます。
2. なぜ「営業研修」がホテルの売上と人材を変革するのか
- 2-1. 従業員一人ひとりが「小さな営業マン」になるメリット
- 2-2. フロント・予約スタッフの意識改革が利益拡大につながる
2-1. 従業員一人ひとりが「小さな営業マン」になるメリット
ホテル業界では、「営業」というと法人営業や旅行代理店との交渉を思い浮かべる方も少なくありません。しかし、実際の現場ではフロントや予約スタッフが直接お客様と対峙する「最前線の営業部隊」とも言えます。ここでスタッフが適切な商品・プラン提案を行うだけで、以下のようなメリットが得られます。
- 追加サービスやオプションの提案
お客様は必ずしも最初に“最適なプラン”を選んでいるわけではありません。チェックイン時の「ご夕食はいかがですか?」や「春のスパエステプランが、夕食前のお時間帯10%OFFで受けれます」や「地元の温泉巡りチケットもございますよ」といった一声が、結果的に客単価アップへ直結します。 - 口コミ評価向上によるリピート率アップ
お客様にとって「自分の要望や好みを理解してもらえた」という体験は、高い満足度につながります。これが口コミサイトやSNSでのポジティブな評価につながり、新たな顧客層の獲得やリピーターの増加を促します。
ホテル業界のライバル企業などの口コミを見ていると、経営、営業、運営のいいヒントが落ちていることが多々あります。いい口コミも、悪い口コミも勉強になるので、他のホテルの口コミもたまには見ていましょう!
シンガポール🇸🇬のカプセルホテルの最近の口コミ見たらトコジラミが発生しているらしく、私が予約したのは近くの系列店だけどキャンセルするべきか…😖
— タフィー (@TO_tuffy) February 10, 2025
日本でも最近トコジラミが増えてるらしいですもんね。 pic.twitter.com/qV8Cd2fib8
2-2. フロント・予約スタッフの意識改革が利益拡大につながる
- 受付業務から“ソリューション提供”へ
従来は単に宿泊手続きを行うだけだったフロント業務を、「お客様の旅をプロデュースする」、「お客様の宿泊にさらなる価値を提供する」という視点に変えると、アップセルやクロスセルの機会が格段に増えます。(押し売りではない) - スタッフ間で売上目標を共有する意義
予約担当やハウスキーピングなど、一見売上に直接関係がないと思われる部署でも、「売上アップ=給与・待遇の向上=顧客満足度の向上」という好循環を理解すれば、全社員が売上目標にコミットしやすくなります。一見、プロフィット部門(収益獲得部門)と関係のないスタッフの意識も、全体的に上げていくことが、重要です。
コンサル視点の提言: フロントスタッフの指名制や予約スタッフのインセンティブ導入など、小さな仕組みからスタートし、成功体験を積み重ねると効果が出やすいです。例えば、食事が入ってない宿泊客に、自社のレストランの予約をいれたら5ポイントで、100ポイントに達すると、そのスタッフに1万円の報奨金を出すとか、もしくは2名分の自社レストランの食事をプレゼントとか。。。スタッフのやる気を喚起する、刺激することも大事です。
※アップセル・・・より上位の高価格帯の商品やサービスを販売する事。例えば、エステ60分15000円のコースを120分の30000円のコースにすることなど。
※クロスセル・・・別の関連性のある商品を売ること。例えば、「只今、ご宿泊様だけに地元名産のクラフトビールを定価700円の所、580円で販売しています。大変お得で美味しくて、珍しいので、お風呂の後などに、ゆっくりと珍しい地元のクラフトビールをお部屋でおいかがでしょうか?」などと、お客様の宿泊の体験価値があがるように、関連商品を販売していくこと。
東急ホテルズ、昨春の桜を染めの材料としてアップサイクルし制作した『ホテルを彩った桜で糸を染めた扇子』を50本限定で3月7日(金)より販売https://t.co/h7LJU2HBT8 @TOKYUHOTELS_JP pic.twitter.com/goyUAEerx6
— PR TIMES (@PRTIMES_JP) February 27, 2025
函館国際ホテル ショップモンモランシーでは、ホテルベーカリーの手作りパンを販売しております。
— 函館国際ホテル (@hakodatekokusai) February 12, 2025
新商品『貴婦人のヴァニラメロンパン』
絶賛発売中です✨ pic.twitter.com/zW6DOlmiX7
3. 営業研修導入でどう変わる? 客単価・稼働率アップの成功事例
- 3-1. 追加提案で客単価10%アップを実現した地方ホテルのケース
- 3-2. モチベーション向上が離職率5%低減につながった実績
3-1. 追加提案で客単価10%アップを実現した地方ホテルのケース
地方都市にある老舗ビジネスホテルの例では、ベテランスタッフほど「余計な提案は押し売りになる」という思い込みが強く、料金面でのディスカウントに頼っていました。そこで、3か月にわたる営業研修を導入し、「お客様が実は求めているサービスを、さりげなく提案する」テクニックを習得させたところ、
- 朝食追加率が30%→50%に上昇
チェックイン時に「明日の朝食はいかがでしょうか?美味しい名物肉じゃがもついています(^^♪」とアプローチ - 観光施設チケット販売が月間ベースで2倍以上
地元の美術館やテーマパークと提携し、フロントで購入できる仕組みに - 客単価が10%以上アップ
積極的にスタッフのセールスマインド、営業意識をあげたおかげで、トータル売上に与えるインパクトが大きく、収益性も改善
さらにスタッフからは「お客様との会話の幅が広がり、仕事が楽しくなった」という声も聞かれました。提案が成果に結びついた分、モチベーションが上がり、人材の定着率にも好影響が出ています。
フロントでのセールスは、色々気を付けなくてはなりませんが、あくまで押し売りではなく、さわやかに、相手にお役に立ちたい、相手に何か良いサービスを提供できないかな?という自然な視点で、良い商品やサービスをおすすめしてみてください。
3-2. モチベーション向上が離職率5%低減につながった実績
営業研修は、売上拡大だけでなくスタッフの働きがい向上にも役立ちます。ある都市型シティホテルでは、研修実施と同時にスタッフの成果に応じたインセンティブ制度を導入。具体的には、
- アップセルやクロスセルの件数や金額を、スタッフ個人ごとに可視化
- チーム単位でも客単価の目標を設定し、達成度に応じて表彰
この仕組みによって、スタッフ間の連携が強まり、顧客満足度を高めるアイデアも現場レベルで続々と生まれました。
その結果、
- 離職率が年間5%ダウン
「上からの命令」ではなく「自己成長・やりがい」のモチベーションが高まり、長く働こうとするスタッフが増えた - リピーターの利用率が2割増
スタッフ対応への高評価が口コミを呼び、高い稼働率を継続。地域に浸透した信頼できるホテルとして他のホテルに比較して、市場優位性を確保。
プチノウハウ: インセンティブを導入する際は、スタッフ同士の過度な競争を生まないよう「個人+チーム」という二重の仕組みを設計すると、良いバランスで競い合いと協力を両立できます。1年間の売り上げ目標が仮に1億円だとして、1億円を達成したら、300万円を原資に、社員の貢献度に応じて、臨時ボーナスを出すとか、OTA以外の、電話などで予約をまとめて宿泊を確定させたら1ポイント獲得で、30ポイント獲得したら、ボーナス褒賞金3万円などです。
【とあるホテルの話】
— とこちゃん@整体とハリネズミ (@tokotokot1229) June 22, 2020
いつもクレームや理不尽な要求をするお客様が多数いて、従業員も疲弊していた。
↓
リスト化
↓
リスト客を対応すると社員にボーナス
これで嫌なお客様でも「ボーナス」
と思い最高のもてなしができ
WinーWiiになったそうな
めでたしめでたし。
こういった積極的なセールスマインドが、あなたのホテルの業績を上げ、ひいては、スタッフ従業員の方々のお給料を、ズバリ、あげられるのです。
4. 今日から始める営業研修導入ステップ
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- 4-1. 現場の課題点を洗い出すワークショップの方法
- 4-2. 研修プログラムの選定と導入スケジュールの立案
- 4-3. 定着化を促すフォローアップと評価システム
4-1. 現場の課題点を洗い出すワークショップの方法
- 部門横断のヒアリングセッション
フロント、予約、ハウスキーピング、レストラン、調理など、あらゆる部門を交えてワークショップを行います。具体的には、「今の業務で困っていることは?」「お客様からの声で多い改善要望は?」などを付箋に書き出し、意見交換します。仮に、困ったことがないなら、「今の自分たちの給料を2倍に上げるためには、どうしたら良いか?会社の売り上げを2倍、3倍にするためにはどうしたらいいか?」などの極端な、非常識な大きなことを議題にしてみて下さい。(その方が、新しい革新的なアイデアがでやすい) - 顧客ニーズと自社サービスのギャップ分析
SNSや口コミサイト、アンケートから拾った顧客の要望・クレームを整理し、「実際に提供できているサービス」「提供が不十分なサービス」を分類すると、どこを強化すべきかが明確になります。全部が全部できないかもしれませんが、業務改善、生産性改善の1歩にはなります。
でたアイデアやお題は、全部を一気に課題解決は出来ないかもしれませんが、1つ1つ段階的に改善はしていけるものです。予算と相談しながら、ブラッシュアップしていきましょう。
4-2. 研修プログラムの選定と導入スケジュールの立案
- 外部講師 vs. 社内講師 vs. オンライン研修
規模や予算、スタッフ数に応じて最適な形態を選びましょう。大規模ホテルチェーンでは外部講師を招いて大人数で実施、中小規模ではオンラインと現場指導を組み合わせるなど柔軟に対応可能です。また、一気に多人数で研修をしなくてもいいので、少人数づつでも、良質なセールス研修に取り組むとよいでしょう。 - KPI設定と期間の明確化
例えば「3か月後に朝食付プランの販売率を20%アップさせる」「アップセル率を現状の10%から15%に上げる」など、具体的な数字目標を掲げます。成果目標を可視化、計測可能化することで、研修効果を測定しやすくなります。
従業員、スタッフの1人1人に、課題問題意識を持ってもらうことが大切です。課題意識、問題意識がなく、ぼうっとしていれば、ただの現状維持で終わってしまいます。
自社施設が、お金がなく、色んな設備投資ができないなら、知恵や人間力で勝負致しましょう。
面白い企画、楽しい企画、わくわくする企画を出してみて下さい。そして、その企画をセールスしていきましょう。
例えば下記のように、大阪難波のホテルで「183泊184日」宿泊プランが、「大阪・関西万博」に合わせて販売されていますが、これも1つのアイデアですね。
難波のホテルに「183泊184日」宿泊プラン 大阪・関西万博に合わせ企画 https://t.co/dwo8tOFHmL pic.twitter.com/VQSwNBCUjT
— なんば経済新聞 (@nambakeizai) February 17, 2025
4-3. 定着化を促すフォローアップと評価システム
- 定期的なロールプレイとフィードバック
研修受講だけで終わらせず、週に1回など短い時間でもいいので、営業や接客、クレーム対応のロールプレイを実施。スタッフ同士がフィードバックし合い、成功・失敗事例を共有することで実践力が確立されます。 - インセンティブ・評価制度の連動
個人やチームの売上実績、顧客満足度(NPSなど)を定期的にチェックし、優秀な成果をあげたスタッフを表彰する仕組みを作ります。金銭報酬だけでなく「表彰制度」や「昇進・役職手当」もモチベーションに直結する要素です。
現場主導が大切: 経営者や幹部が方針を示すのはもちろん重要ですが、最前線のスタッフが主体的に取り組めるようにするのが研修成功のカギ。現場の声を尊重し、臨機応変に研修内容を見直しましょう。特に、営業に関しては、苦手意識を持っていたり、ただ、接客だけしていればいいなどの意識のスタッフがいるので、強くテコ入れしなくてはなりません。営業を押し売りと勘違いしている人も多いので気をつけましょう。
5. DX活用で研修効果を最大化:パーソナライズされた営業提案へ
- 5-1. 顧客データ×研修で“最適な提案”を自動化する仕組み
- 5-2. フロントの効率化が生んだ“接客時間”を営業に活かす
5-1. 顧客データ×研修で“最適な提案”を自動化する仕組み
- 予約サイトや自社サイトのアクセス解析の活用
Googleアナリティクスや予約管理システムから得られるデータを分析すると、年齢層や旅行目的(ビジネス/レジャー)、平均滞在日数などが見えてきます。これを元に、スタッフが「30代のカップルには観光ツアー付きプランを推奨する」「ビジネス客にはランドリーパックを勧める」など、効率よく提案できます。 - CRM(顧客管理システム)の導入メリット
リピーターの利用履歴や過去の要望を踏まえて、あらかじめ“おすすめプラン”を設定することも可能です。スタッフが一からヒアリングしなくても、データが提案のヒントを与えてくれるため、対応時間の短縮と客単価アップを同時に実現できます。
ホテル単価27年ぶり最高 「東京出張は埼玉で宿泊」https://t.co/SZK958XdM5
— 日本経済新聞 電子版(日経電子版) (@nikkei) January 24, 2025
最新データでは2万2880円。インバウンドが増え、都市部では低価格帯の空室が数カ月先までほぼないエリアも。「出張難民」が発生しています。 pic.twitter.com/5CcnDGU1cP
5-2. フロントの効率化が生んだ“接客時間”を営業に活かす
- セルフチェックイン機やモバイルチェックインで時短
紙ベースの手続きや会計をデジタル化することで、フロントスタッフの負担が軽減されます。浮いた時間を、来館されたお客様へのホスピタリティや提案営業活動に充てることで、さらに満足度と収益の向上につなげられます。 - AIチャットボットで24時間対応
深夜や早朝のよくある問い合わせはチャットボットが自動対応し、スタッフが無理して夜勤に入る必要を減らすことも可能です。スタッフが不足しがちな深夜帯こそ、効率化による売上アップのチャンスです。
DXはスタッフ削減のためではなく“付加価値創出”が目的: ITツールは人件費を浮かせるだけでなく、スタッフが営業活動やお客様対応に専念できる時間を増やすためにこそ、有効に機能します。
6. 営業研修への投資は本当に回収できる? ROIの考え方と測定方法
- 6-1. 投資コスト×人件費 vs. 売上増加分+離職率低減効果
- 6-2. 研修効果を数値化するKPI(重要指標)の例
6-1. 投資コスト×人件費 vs. 売上増加分+離職率低減効果
- 投資コスト: 研修費用、外部講師への報酬、オンライン研修プラットフォームの導入など
- 人件費: 研修中のスタッフの人件費や、研修時間確保によるシフト調整コスト
- 売上増加分: アップセル率や客室単価、稼働率の改善、リピート客増
- 離職率低減効果: 新規採用コストや育成コストが削減されるため、実質的な利益増につながる
例えば、50室規模のホテルが客室単価500円アップを実現し、さらに1ヶ月あたり10名の追加朝食販売に成功しただけでも、年間数百万円の増収になります。これに離職率低減による採用費削減が加われば、研修投資の回収は意外と早いタイミングで達成できるケースも多いのです。
ただ単に、OTAからの待ちの姿勢が強い販売方法だけでなく、積極的に、色んな場面で、こちらから主体的に、良い商品、良いサービスを売りに行きましょう。お客様に、メールをしたり、電話をかけるのも良い方法です。お客様と人間関係をつくりましょう。
6-2. 研修効果を数値化するKPI(重要指標)の例
- 客室単価(ADR): 研修導入前後で何%上昇したか
- 稼働率: オフシーズンでも上手なセールスやプラン設計で稼働率を維持できるか
- アップセル率: 朝食やレストラン利用、スパ、エステ、レンタカーなどの追加購入率
- 顧客満足度(NPSなど): 高評価が増加すれば口コミ・SNSで話題になり、集客力がアップ
- スタッフ離職率: 研修導入後にどれだけ定着率が上がったか
導入後のフォロー: 研修自体の質だけでなく、導入後のスタッフモチベーション維持と目標管理がROIを最大化する要因です。
「計測できるものは改善できるけど、計測できないものや、計測しないものを、改善するのは困難」という言葉にあるように、あなたの運営するホテル、責任部署の重要項目、重要指標を決めて、計測いたしましょう。
APAホテルのCM、最後のカットで「You'll be back.」と決め台詞をデカデカと載せてるのジワるけど、APAがいかにリピートを重要なKPIにしているか伝わってくる pic.twitter.com/yDeRVfIIrf
— RK (@kawauchi_co) August 11, 2023
昨日、アンダーズ東京に宿泊
— Kousuke【地上最速モテボディメイク】 (@kgori_0412) January 5, 2022
部屋に篭り昨年の振り返りと、今年の目標設定決め
夜は最上階のバーに行き、朝はラウンジで朝食
アンダーズにした理由は、東京で一番景色が高いホテルだから
今年東京のフィジークで優勝するため、頂点の部屋で決意表明したかった
クサいけどこういうの好きなのよ pic.twitter.com/5bzSic2eQc
例えば、経営者の中には上記のように、落ち着けて、考える空間を求めてホテルに来て、1人、目標設定に励んだり、自己分析をしたりしている経営者層の方もいます。そういった経営者の方に向けての、「経営支援」的な滞在企画や、サポート企画も面白いかもしれませんね。
作家の方がホテルに缶詰めになったり、ビジネスミーティングでホテルを使うことは往々にしてよくありますが、ホテルからそれらを何かの企画にできないか?と考えていく、セールスしていくのも楽しいことです。
7. 人手不足×競争激化時代に勝ち残るホテル経営へ:今こそ営業研修を導入しよう
- 7-1. 変化を恐れずに行動するホテルだけが生き残る
- 7-2. セミナー案内・資料請求など問い合わせのCTA
- 【まとめ】2025年ホテル業界、生き残りの鍵は「営業研修」 売上とスタッフ意識を変革する秘訣
7-1. 変化を恐れずに行動するホテルだけが生き残る
2025年のホテル業界を取り巻く環境は、一見するとチャンスに溢れています。インバウンド需要の継続的な拡大、大阪・関西万博による短期的な特需など、ホテルにとって追い風の要素は多いです。しかし、その後のオーバーサプライ(供給過多。宿泊需要よりもホテルが多くて、ホテルの売上利益が減ってしまうこと)や業界再編の波に飲み込まれては、せっかくの好機を逃してしまうかもしれません。
- 価格競争ではなく“付加価値”で勝負
値下げ合戦は誰も幸せにならないどころか、利益を削る消耗戦になるリスクがあります。むしろ顧客満足度を高め、客単価を上げるサービス戦略を打ち出すことが肝要です。 - 従業員の“営業力”が経営を左右
経営指標としての売上・利益は、最終的に現場の営業力が大きく影響します。トップダウンの方針だけでなく、現場スタッフがモチベーション高く“提案”できる仕組みこそが差を生みます。
ホテル経営、ホテル集客の成功への近道: 変化を恐れず「まずは少しの投資から試してみる」姿勢が、次の一手を見出すきっかけになります。SNS、YouTube、ブログなど、あなたのホテルの魅力を発信できる媒体はいくらでもあります。やり方がわからないなら、本屋に行ったり、YouTubeで調べればいくらでもそのやり方を教えてくれている人たちがいます。
僕のアマゾンkindle本も入っていますが、みんなどれも安価な本なので、あなたが興味がある分野をコツコツ勉強して頑張って参りましょう。
7-2. セミナー案内・資料請求など問い合わせのCTA
もし、
- 「現場のスタッフが提案型営業をできるようにしたい」
- 「課題問題意識を持ち、ホスピタリティだけでなく、セールスマインドも従業員に持たせたい」
- 「具体的な事例や研修プランをもっと知りたい」
といったニーズをお持ちでしたら、ぜひ一度ご相談ください。
これからのホテル業界は、ホスピタリティマインドだけでは通用致しません。
積極的に、1人1人のスタッフ、従業員が、「課題問題意識」を持ち、その課題問題を「解決することに立ち向かう」セールスマインドが必ず必要になってきます。
ただ単に、仕事をこなしていくのではなく、このホテル戦国時代、少子化人口減問題時代に、あなたのホテルが生き残るためには、お客様の課題や問題や隠れたニーズやウオンツを引き出し、小さなことから、大きなことまで、きちんと生産性のある仕事をこなせる人材を育てていかなくてはなりません。
ズバリ、御社の「営業力」を強化するために効果効能のあるセールス研修や若手社員教育事業をいたします。
ご興味のある方は、無料のオンライン相談やセミナーのご案内も行っております。お気軽にお問い合わせください。
ざなまけものセールス研究所の研修問い合わせはコチラから。
【まとめ】2025年ホテル業界、生き残りの鍵は「営業研修」 売上とスタッフ意識を変革する秘訣
激しさを増す競争環境で勝ち残るホテル経営には、「営業力の底上げ」が欠かせません。
コロナ禍後の需要回復と関西万博で注目を集める2025年、また人材不足の中だからこそ、スタッフ一人ひとりが魅力ある人間性豊かな「提案型営業」を実践できるトレーニングを致しましょう。
人の採用も、実は、営業力の要素が非常に重要なのです。会社の魅力、職場の魅力、仕事の魅力などをしっかり競合他社や他の業界よりも伝えていかないと、このようなひどい少子高齢化の時代には、ますます大変なことになっていくのが目に見えています。。。
以下のポイントを再確認してください。
- 人手不足と競争激化を補うカギは“スタッフの意識改革”
営業研修を通じて、従業員が小さなプロフィット部門の「営業マン」となり得る環境を整える - DX導入で“人にしかできない業務”に注力
予約や会計などの単純作業はデジタル化し、スタッフがアップセル・クロスセルやホスピタリティ向上に集中。効率化、デジタル化は努力しながら、経営のセンターピンの売上と利益の確保に人間は全精力を傾けて、これからくる荒波の時代に万全の体制を整えていく。 - 具体的なKPI(重要目標指標)設定とインセンティブ設計(物心の報酬)で研修効果を最大化
客室単価、稼働率、離職率など、数値目標を定めると成果が見えやすい。従業員の自己重要感を高められない経営者はこれから生き残れません。
経営者や幹部自体が、従業員の「自己重要感」を高められないのはアウトです。
導入事例を見ても、良い営業研修は売上アップと人材定着、そして顧客満足度の向上という“三方良し”の効果をもたらします。
あなたとあなたのホテルの未来を明るいものにするために、今こそ行動を起こしませんか?
AIの発展や人口減少、インバウンドによる変化が激しい時代に、経営者や幹部が一歩踏み出し、現場と連携して良質でオーセンティック(本物、正真正銘)な営業研修を導入することで、ホテルが持つ潜在的な成長力は大きく開花します。ぜひご検討ください!
ざなまけものセールス研究所の研修問い合わせはコチラから。
結局、人が経営の、人が一番の経営資源です。誰もいない、人がいないホテルですら、最低限のそれをささえる「人」が必要なのですから。
そして、一番大事なのことですが、旅をする、旅行をする人の多くは、「人」を求めているのです。これは、本当のことです。
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- インバウンド需要の急伸と関西万博の影響 2025年に向け、海外からの旅行者が増加。ホテル需要は大幅にアップするが、万博終了後のオーバーサプライにも要注意。
- 人手不足と競争激化というホテル業界の大課題 フロントや清掃スタッフなど多方面の人材不足が深刻化。新規参入ホテルも増え、価格競争が激しくなる。
- “提案型営業”がホテル経営を左右するカギ ただのフロント業務ではなく、お客様の課題や希望を引き出す自然なセールス力やクロスセル・アップセルが利益向上のポイント。
- 営業研修の導入は売上up・人材確保・顧客満足度upの三方良し ホスピタリティだけでなく、商売とビジネスの基本の営業力を手に入れることで様々なプラス効果がある
- フロント・予約スタッフも「小さな営業マン」適切なヒアリングと提案力により、追加プランやオプション販売などで客室単価を上げられる。
- インセンティブと評価制度の設計がモチベーションを高める 個人+チームの二重評価やポイント制の導入で、競争と協力のバランスを確保しつつ成果を可視化。
- ワークショップによる課題洗い出しと目標設定が重要 部門横断の意見交換と顧客の声の分析で、どこに売上拡大の余地があるか明確化する。
- DX(デジタルトランスフォーメーション)による業務効率化 セルフチェックイン機やAIチャットボット導入でフロント業務を効率化し、スタッフが温かい人間らしい営業活動に注力できる環境を作る。
- 顧客データの活用で“最適な提案”を自動化 予約サイトや自社サイト分析、CRMを活用することで、ターゲットに合ったプランやサービスを効率的に提案できる。
- ROI(投資対効果)の可視化が研修推進のエンジン 研修費・人件費と売上増・離職率低下などの指標を比較し、投資回収のスピードを算出して効果を明確にする。
- 価格競争に陥らず“付加価値”を生む営業力が必要 値下げよりもサービス向上や体験価値の提供で客単価アップを狙い、リピーターや口コミを獲得する。
- スタッフの“自己重要感”を高められるかが経営者の腕の見せ所 従業員が主体的にアイデアを出し、行動できる風土づくりが必須。トップダウンだけでなく現場の声も重視。
- 定期的なロールプレイ・フォローアップで研修効果を定着 学んで終わりではなく、研修後の継続的なトレーニングでスタッフの“提案力”を習慣化。
- 人材採用にも“営業力”が必要な時代 自社の魅力を積極的にアピールしなければ、優秀なスタッフを確保しにくい。採用も自社の魅力を伝えるセールス的視点を忘れない。
- 行動あるのみ:小さな一歩から実践をスタート セミナー参加やミニ研修、2時間研修、外部コンサル導入、本の勉強会など、まずはできることから着手し、ホテルの可能性を広げる。
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